ネタバレを気にせず書いてます

稲荷厨子は腐っているのでそう言う傾向で思考します

是非読んで疲れて下さい

近所の映画館で今もやってるの知ってずっと見よう見ようと思ってた「RRR」を見てきたから感想書いてく。

バーフバリが話題の頃から、なんかインド映画凄いらしいじゃないの~とはずっと思ってて、それはそれは高くハードルを設定して見にいったのにさっと超えられましたね。

見終わって、パンフを求めてフラフラ売店にいってみたけど一月公開映画のパンフが今売ってるはずもなく。

とにかく頭から感想が抜け去る前にメモらなきゃ!と飛び込んだファミレスでスマホに最初に打ちこんだ言葉はマッチョが着るミチミチスーツいいでした。

邪!でもほら忘れちゃいけないポイントだから……

映画もお国柄ありますね

フランスの実写版シティーハンター見た時も思ったけど、映画の画面作りって国の特徴が結構あるもんだな。

シティーハンターは主人公がクレーンに釣られながら敵と乱闘するシーンが一人称視点で繰り広げられてたり色の使い方がなんかおしゃれ!って思った記憶がある。

インド映画といえばダンス!ってのは広くイメージされてるけど、ダンスシーン以外もリズミカルにシーンが作られてるなと思った。最初のイギリス人の事務所みたいのが群衆に包囲されるシーンの金網を揺らす所とか。

あとこの映画の映像を見て思ったのが、分かりやすく関係の暗喩を出したり伏線を打ち立ててくるなって事。

ラーマとビームが有刺鉄線を挟んでそっぽ向いて歩くシーンを、ビームを捕まえた後のラーマを有刺鉄線の縁の真ん中から写すシーンで回収するあたりとかいいよね。

もともとのシーンが出た時印象に残ってるから、それが回収された時スッキリというかなるほど!って爽快な気分になる。でも流石に肩車スクワットが伏線だったのはビビった。

萌えも燃えも皿に盛られたストーリー

ポスターになってるシーン同じ映画とは思えないほどバラバラだけど、どれも「ウムッ!良いチョイスですね!」って後方腕組みしたくなるような名シーンばっかなんですよ。

他の映画だったらそうこれが見たかった!って満足して帰るようなシーンが沢山入ってた。三時間もある映画なのに不要な場面がないの凄い。

でも正直序盤ビームとラーマが出会うまでは、あれ期待してきたけどどうかな?って思ってた。カタルシスの少ない土台固めのシーンが続くから。

流石大長編映画リッチな土台固めです。でも大事。そこも名場面あるんだけどね。

ラーマの初登場シーンの、ゾンビ映画かスカラベの大群でしか見ないような尺度の群衆に囲まれるデリー駐留地?好きですね。最大人口保有国の誇る圧巻のエキストラの量。7時間持たせろの絶望感ににっこり。

そこからのラーマ兄貴初登場。私の中で頭部を鈍器で殴打されるのは退場演出判定指数が高いんだけど、平気で動くし人間蜂球攻撃を繰り出す民衆を普通に突破してターゲットを確保してまた警備に並ぶ。ターミネーターか?

ここで鉄人ぶりを見てからの、出世できなくて荒れるシーンとか潜入パートの伊達男っぷりがはえるんだわぁ。

ビームの初登場の時はWater…Water?ってなったけどその後のビームの行動を見ると確かに水だって思えた。穏やかで受容が凄いんだビーム君は。私の作品のキャラだったら垂れ目ほわほわウェービーポニテボーイにデザインしてもおかしくない。

基本自分が貶されたり攻撃されても怒らないけど、マッリとか仲間が傷つけられた時は激流になる感じね。ラーマ兄さんに裏切られた時も動揺して悲しんでもそれが怒りと憎しみには変わらない。後でも書くけど鞭打ちのシーン大好きだわ。

物語の中でも宝物過ぎる2人の偽装生活パート

そして2人が出会うシーンからの怒涛の盛り上がりですよ。

子供助けるシーンでそんなアクロバットに助ける必要ある?1人にロープ結んで下ろしてもう1人が引き上げるんじゃダメかいって思ったけど、ロープ越しに向かい合う2人であぁ!ポスターのシーンだぁ!ってテンション爆上がりした。

あのシーンて子供とインド国旗を交換する事でお互いの守りたい物を託し合う主題がビジュアルでドカーンと提示される最高のシーンなんだよね。

つまりアクロバットに子供を川から助ける必要はあった。全映画やろう。

ちなみにこのシーンの後ラーマ達がなんか参加する赤い服を着た人が集まって組体操でかい柱を構成する催しはインドだと有名なやつなんだろうか。子供助けるパートの時から背後に映ってて異様な存在感を放ってたんだが。

そして歌共に美しく流れるラーマとビームのいちゃつき友情シーン。ローマの休日しだしたり、機関車と楽しそうに並走したり青春かよぉ。その中にもいずれ壊れる定めな暗示を映像に散りばめて美しいシーンだよね。

このシーンまで仲間内では兄貴分ポジで頼られてたビームが、ラーマに無邪気にベタ懐きしだすの本当に可愛い。

シータとの約束のペンダントを眺めるラーマの所に兄貴!って駆け込んでくるビームが幼女過ぎて最高なんだ。

というかビーム君が全体通してただただ可愛いで終わったんでダブル主人公として戦闘でもうちょっと活躍してもええんやで?ラーマ兄貴が最強過ぎる?はい……

ラーマ兄貴も本当にビームを可愛がってるのと、素のハンサムぶりが存分に出てていい。後半の回想を見るとラーマも今まで普通に友達と遊んだ事なかったろうなと思うと輝かしいね。

ジェニーをデートに誘うためにビームに出したパスを華麗にスルーされてマジかこいつって顔する所大好き。

逆に同じように部族出身なのにラーマ兄貴はどこでその粋な物腰覚えたの?天性のギフトなの?

まず俳優のラームチャラム氏がスマートイケメンすぎるんじゃ。何だその素晴らしく長いまつ毛と足は。美しい二重は。人類の至宝か?

ナートゥをご存じか!

日常パートクライマックスを飾るナートゥシーン。インド映画といえばみんなこれ見にきてるからさ。脚本指南書で言う所のお楽しみシーン。

まずおしゃれスーツ着るだけで、魅力数値がアップするからね。鍛え上げられた筋肉を窮屈そうに収めて膨張するスーツの素晴らしさよ。

イギリス人のぬるいデイパーティに2人が足を踏み入れたところでインドダンスで蹂躙される事は目に見えていた。

もっと現地インド人が乱入してイギリス人を見返すシーンかと思ったけどイギリスのご婦人方が参戦して華やかでしたね。

イギリス紳士達が即席でナートゥ覚えてバトルに参戦してくる流れ意外だった。特にビームに絡んできた嫌味なイギリス野郎ちゃんと覚えた上に割と長く2人とバトルして矜持の高い奴。お前かっこいいよ……

ここのね、ビームの為にナートゥバトルでわざと負けてくれるラーマ見てあっこれ泣いた赤鬼だ!って勝手に深読みして見てたんだよね。

そのせいで今後ラーマがピンチに陥るたびにこれ死にそうまじ死にそうって思いながら見る事になる。映画カサブランカでも終盤主人公ヒロインのために死ぬ奴ジャーン!って勝手に泣いてたのが私だ。

裏切りキャラ大好き

こっからインターバル越えてビームを処刑から逃すまでラーマ兄貴のキャラの深みにすっぽり嵌まれる。

どうしてこう裏切りキャラは人の心を惹きつけるのか 裏切りと同時に心を割ってるタイプのキャラね。

ついに事態が動きだして、ビームの仲間を知らずに尋問するラーマの苛烈さ大好き。公私を分けれると言うか、どんなに暖かく柔らかい心を持ってても任務の為に完璧に凍結させれるキャラが好きなんだ。二重人格とかじゃなくてあくまで理性の力でやってのけるのがいい。

ラーマが何故か民家に忍び寄るヤバい毒蛇に噛まれてビームに気付かれず倒れるシーンではこれ死んだな(1回目)って思った。裏切りキャラと死ネタはセットなんだ。だよな!遙3の景時さん!TOSのゼロス君!

というか同じ部族の人間だから蛇の解毒法がわかるのは分かるけど、その辺の草で即効性解毒薬を作れるビーム君は何なんでしょう。

後のシーンでも足をすぐ直せる薬を作ったり、何の疑いもなく死んだと思ってたマッリの母親が生きてたりゴンド族ってラストエリクサーかなんか作ってるの?

で毒のせいでろくに動けない状態でビームから聞きたくない事を聞かされるラーマ兄貴の絶望感。なんとかビームに縋ろうとするラーマと一緒に居てやりたいけどって困った顔するビームからBLの波動を……友情!高度に熟成された友情はBLと区別が付かないって偉い人も言っています。

動けるようになってから1人荒れるラーマ兄貴……いい。そうだよね、ラーマにとっても宝物な日々だったよね。それでも父との約束のと大義のために警官に戻るの辛いけどそれでこそな展開。

ラーマの幼少編でビームの事を本当の弟に重ねて大事にしてたって事がしみじみ分かり、それをどれほどの覚悟でぶっちぎって警官に戻ったのかと反芻して2度味わえるシーンですね。

そして提督の館の最初の戦いで初めて本来の姿で出会う2人。ラーマ兄貴が制服で登場した時なんか知らんけど燃えてる馬車の逆光で顔が見えないのかっこいいんだ。この映画のこういうビジュアル表現好き。

この辺りのビーム君がラーマ兄貴の正体を知って嘆くシーンこれが欲しかったやつ!強い男が信頼して尊敬してる男に裏切られて荒れて弱るシーンでしか摂取出来ない栄養素があります。他は特攻野郎Aチームのボスの裏切りを知って荒れるフェイスとかが含有してるぞ!

ラーマ兄貴は知力持ってるんだからビーム君は肉弾では勝ってなきゃいけないんじゃないの?と思う私をよそ普通にやり合うラーマ兄貴チート過ぎる。しかも後にメイン能力の射撃を封印してた事が発覚する。強い。神話転生者は違うな。

涙を流さないラーマの目に血が流れこんで涙の様に落ちるの、そうなるだろうなと思いながらも美しいね。

こうして特別捜査官になったラーマの着る赤い制服の似合わないこと。どうしてもこの格好のラーマだけ同一人物だと認識できないんだよね。この格好の時だけやけに下膨れしてない? ビーム君の1番の見せ場の鞭打ちシーンはビーム君がWaterっぷりが分かりやすく出てて印象深いシーン。受容なんだビーム君は。諦めてる訳じゃなくて、受け止めて受け止めて然るべき時に返す。穏やかで力強い歌声もいい。

今までラーマに親愛でキラキラした目を向けてたビーム君が、説得してくるラーマに感情の色のない目を静かに向けるのビーム君らしいんだけどこれまたラーマにとって辛いシーン。

ここからビームを逃す決意をしたラーマの爽やかさに死相が漂っててあっこれ死ぬ奴ジャーン!ってなった(2回目)。だってあと何分尺があるか見てる時わかんないからさぁ。

その後転がった先にあった尖った木に刺さってあっこれ(3回目)、そして逃げてきたビームに頭フルスイングされてあっ(4回目)、敵を押さえながら逃げるビームの背中を眩しい物を見る目で見送るシーンであ(5回目)。

その後独房には元気に懸垂するラーマ兄貴の姿が。何故生きてる!木に刺さるのは超強力な死亡確定演出ではないのか!大丈夫!インド映画超大作だよ!

でもここで警官として自分を殺してたラーマは死んだんだと思うんだよね。ロングラーマ兄貴は枷から解き放たれたというか超然としてるから。

カーリーの加護を受けたアーチャースタイルのロングラーマがインドの英雄として正しく覚醒した姿なんだね。でも服装として偽装生活の頃の紳士ルックが好き。インテリマッチョ好きなんで。

ビームとラーマがわかり合って最終決戦で今までの鬱憤と溜められたアクションが爆発してカタルシス抜群でした。

ビームonラーマでボコボコ警備がザルなイギリス兵を倒してくシーン一見馬鹿そうな絵面なんだけど馬鹿かっこいいんだよね。このためのラーマ兄貴の懸垂!ライフルガンカタ最強!

無言で流れるようにブッピガン!したから最初何故急に騎馬戦を?ってなったけどそうだラーマは足を痛めてたんだって遅れて理解した。ビームとラーマの熱い意志疎通に視聴者が遅れて合流するシーン多い。そこがいい。

ついにラーマ兄貴が射撃を解禁して、今までヘイトを溜めてた提督御一行に意趣返しして倒すのこの3時間が報われてスッキリするね。

でも因果応報を願ってた提督の嫁のキャサリンにあそこまでグゥの音もでないほど無惨な結果が返るとは思わなかったからちょっとびっくりした。マッリがタトゥーした手に血が滴って焦げたシーンから入って全景がでるのはやっぱ美しい演出。

そしてウルトラハッピーエンドに。 でも最後抱き合ってたけどビームとジェニーは無理だろ。親族全滅だぞ。というかどこにいたんだジェニーは。

Dolby cinemaでも見たいな

愚直にストーリーに沿って感想をぶち撒けてきましたが、みんな知ってると思うけど素晴らしい映画でした。 なんかこれから日本語吹き替え版も出回るらしいからまた見に行こうかな。

この記事のアイキャッチの為にラーマとビーム君をお絵描きして見たけどちょっと無謀でしたね。似ないなぁ。

今まで数多お絵描きしてきて、何だこれ首ふっとってなった事は沢山あるけど何だこれ首ほっそってなったのはビーム君が初めてですよ。

いい経験になりました。