
会話を哲学する 読了
会話、コミュニケーション苦手な分野だ
物語を書きたい欲はあるんだけど、隠キャオブ隠キャたる私じゃ、小洒落たグッとくる会話生み出せないよなぁと常々思ってた。
そんな時にKindleストアで見つけたのが本書『会話を哲学する コミュニケーションとマニュピレーション』だ。
会話を哲学する コミュニケーションとマニュピレーション
2022年8月30日発行
著者 三木那由他
発行所 株式会社光文社
わかんないけど、これ読んだら少ない会話文に深淵に意味を込めたすげぇ会話作れそうじゃね!?と思い購入して読んでみた。
大体の内容
ざっくり概要を書くと会話を内容から、会話の発言の内容で、相手との間で共通認識を作っていくコミュニケーションと、発言の内容の外で相手の心理を利用して自分の思惑と通そうとするマニュピレーションに分けて解説していく本だった。
コミュニケーションの方だけでも、分かりきっている事をあえて共通認識にする例や、間違っているとわかっている事をあえて伝える例、伝わらないとわかっていて会話する例など多彩に紹介している。
みんなが会話について、言葉でじゃなく感覚で理解してる部分を、丁寧に腑分けしてラベリングしてファイリングした本だと感じた。
本当に文章にされて読むと、そんなんわかってるぜ!ってなる自分もいるんだけど、漢字が読めても書けないように、概念って形にして理解しとかないと自由に扱えないからとても有用な本だと思う。
例に出される会話が有名な創作作品が多くて親しみやすい
最初の方に例として出された作品が、中村明日美子先生の『同級生』で中高の腐女子ライフがフラッシュバックして懐か死した。
いいシーンですよね、佐条くんが草壁くんのために頑張ったと伝えようとして伝えないシーン…。
他にも映画、小説から漫画、ゲーム、具体的に言えばシェイクスピアのオセローからポケモン不思議なダンジョンDXまで色んな作品から会話例が出されてて面白かった。
読んでる時は、普通にエモだけ受け取って読んでるけど、解体のち解説してもらうともっとエモを取り出せるからいいぞ!
会話って言語って呪術だよね…
この本では会話のコミュニケーションの側面を、発言する事で自分がそう思っているって事を相手への約束事にし、相手もそれを否定しない限りはその約束は会話中積み上がっていくと表現している。
これって、自分はこう思ったって事を相手が了解したって契約っていうか、これが言霊って事なんじゃないですかねと思うわけですよ。
呪術廻戦のナナミンが死ぬ間際にこれを言ったら呪いになるって感じたのもつまりそういう事だと思うんですよね。
自分がこう思ってるって相手に了解させる行為って、本来曖昧な自分の本心を相手の中で仮確定させてる、でそれは多分相手を縛る。
これは呪いなのでは、エルデンリングのナナヤの耐えてくださいもこういう呪術だよね。
作中で相手に使うコミュニケーション以外にも、本心の部分ではそう思ってない事を心の中で言い聞かせる事で自分はそう思ってると信じ込む(信じ込もうとする)例が紹介されてて自己バフだよこれは!と思った。
昔読んだ本でも、言語は思考のための外部的発明みたいに書いてるの読んだことあるし、言語を使って発言するってそれだけで精神に作用する呪術行為じゃないかって改めて思った。
コミュニケーションの例でも、マニュピレーションの例でも解説されながら見ると視点が変わる話が沢山載ってるので是非読んでいただきたい。