
読書ハ読ムナ(笑) 読了
藤田先生のハウツー本、読むしかない
形から入る女なので今までも、有名なストーリーハウツー系とか、漫画家ハウツー系はよく読んでた。
そこでまたまたKindleセールで見つけたこの本を吸い寄せられるように購入したのだった。
読書ハ読ムナ(笑)〜いかにして藤田和日郎の新人アシスタントが漫画家になったか〜
2016年9月30日
著者 藤田和日朗
発行所 株式会社 小学館
吸い寄せられたとか書くなら定価で買えよ私。
でも電子書籍セールは気軽に積み本を未来の自分に投げれるいい文明。
読んでる時は古さを感じなかったけど、結構古い本だったんだなこれ。
こんな内容
サブタイトルの通り、藤田先生の仕事場に新人アシスタントとして入った主人公?の目線で、担当さんにネームを持ち込む所から連載決定までを追体験していく内容。
藤田先生の本なんだけど、主人公を軸にして、藤田先生の初代担当の武者さんとのリレー合作みたいな構成になってて二つの視点が楽しめて面白い。
こういうハウツー本って、教科書というかセオリーの解説をする本が多いけど、この本はより実践的な内容に感じた。
普通のハウツーがレシピ本だとしたら、この本は作ってみた動画というか。
僕私でもできそう!って自然に思わせてくれる本。
漫画家を志す人がどんなメンタルなのかかよくわかってらっしゃる
視点主の新人アシスタントくんのキャラ付けを、目を輝かせた素直君じゃなく、虎になる一歩手前の李徴みたいにしてるの流石だなと思った。
自分の中で育てた世界を大事に大事にして、これが最高、否定してくれるなって感情は、創作してる人ならだれでも持ってるものだと思う。
この本の推定読者の私含めたワナビーこそ、特に尊大な虎みたいなメンタルでこの本を読んでること多いと思うし。(弩級の偏見)
でもその自分の創作という自分の世界を守る新人くんを、藤田先生は切り捨てるわけじゃなく諭してくれるのがとても良い。
プロの作家になるからには、人に見せて否定だの肯定だのされるのと戦わなければならない。自分の作品を否定される事は、自分自身を否定される事とは違うって意識を持つ、凄く大事な事だ。これを厳しくではなく、闇堕ちした弟子を諭す師匠のように静かに強く教えてくれる。
他にも、漫画を描くのに実際の自分の経験が必要だってよく言われるけど、取材とかその他本や創作で補えると他ならぬ藤田先生が言ってくれてたり、創作と戦ってる人を救ってくれるような本だった。
端々に藤田先生自身の今の葛藤が見える
前半は、ストーリーについてや持ち込みの心得みたいなある程度セオリー化してる部分でちょっと冷めて?書かれてるんだけど、後半の明確な正解がない分野の話になってくると、藤田先生自身の今の苦しみみたいのが文に滲んでくるの面白い。
特に絵の話になると、漫画の絵って正解ないから今も模索の途中七転八倒してる感じが見えて、藤田先生ほどの人でもそうなのか…と感慨深い。
あと編集の厳しい言葉に負けてるようじゃ出版された後の読者の感想に耐えきれないぞって文に、苦渋が滲んでてあっ…となる。
この数年前に月光条例完結だから、この本を書いてる時もちょうどそれで苦しんでたのでは。結構色々言われたらしいもんね。
基本会話調の本で軽く読めるので読み物として軽い気持ちで読んでみてほしい本でした。